Column
2025.08.12
マグネシウムが振動を吸収するのは何故?
マグネシウムは「振動を吸収する金属」
マグネシウムは、実用金属の中で最も効率よく振動を熱に変える金属です。
そのため、他の金属よりも優れた振動吸収性を持っています。
振動が熱に変わる仕組み
金属は、原子が格子状に並んだ構造をしています。
そこに振動が伝わると、原子同士がぶつかり合い、摩擦によって熱が生まれます。
つまり、
振動(機械的エネルギー)
↓
原子の運動や格子振動
↓
熱エネルギー
という流れで「振動が熱に変わる」のです。
身近な例:針金が熱くなる現象
子どものころ、針金を同じ場所で何度も曲げると熱くなった経験はありませんか?
これは、針金の内部で「振動 → 摩擦 → 熱変換」が起きているからです。
マグネシウムが特に優れている理由
マグネシウムの原子構造は「六方最密充填構造」と呼ばれる強固な形です。
このため、他の金属よりも振動を効率よく熱に変換できます。
要するに、マグネシウムは振動を素早く吸収して、熱へと変換する力が突出しているのです。
オーディオ機器との関係
オーディオ機器に悪影響を与えるのは、人の手で感じるような大きな振動ではありません。
むしろ、原子レベルのごく微細な振動が音質を乱します。
マグネシウムはその不要な微振動を吸収できるため、音質改善やノイズ低減に役立つのです。
まとめ
振動は金属内部で摩擦を起こし、熱に変わる
マグネシウムは他の金属よりも変換効率が高い
オーディオ機器など精密分野で特に効果を発揮
**マグネシウムは「振動吸収に優れた金属」**として、産業からオーディオまで幅広く活用されています。